米ぬかの栄養

玄米を精米した時に出る米ぬかには、米から殻を取った玄米の栄養素の9割以上が含まれています。

胚芽の部分には、抗酸化作用をもつビタミンE、体の構成成分になったり体内機能を調節するミネラル、体内の毒素を排出を促進するフィチン酸などが含まれています。

一方、表皮には整腸作用のある食物繊維などの成分が豊富に含まれています。

食用以外の用途も広く肥料として使われたり、化粧品や洗剤などにも使われる万能食材です。

米ぬかの効果・効能

米ぬかに含まれる豊富な栄養にはこれらの働きが期待できます。

「胃腸系」機能up:整腸効果.便通改善

「皮膚系」機能up:肌荒れ解消,花粉症の改善

「血液系」機能up:血液サラサラ効果,血糖値低下

米ぬかには多くの栄養成分が含まれていますが、代表的な米ぬかの栄養成分をご紹介していきます。

ビタミンE

特徴

ビタミンEは抗酸化作用と過酸化脂質を抑制する働きがあり、老化を防ぐと言われています。

米ぬかにはそのビタミンEを白米の約40倍も含んでいます。

効果

ビタミンEは強い抗酸化作用によって活性酸素の発生や活動を抑制してくれます。

活性酸素を大量に体に取り入れてしまうと過酸化脂質を作り出してしまうため、動脈硬化やガン、老化などの原因になります。

それらを抑制する効果があることから、シミやしわなどの老化による疾患の改善が期待できるため、美肌効果や健康増進に役立つものとして近年注目を集めています。

またビタミンEは活性酸素を抑制するだけでなく、脂質が酸化する原因となるフリーラジカルを排除する働きも期待できます。

フリーラジカルを排除することにより過酸化脂質の生成を防ぎ、動脈硬化やガン、老化を防いでくれます。

そして血行を良くするという働きもあります。

ビタミンEは末梢神経を広げて血行を良くしてくれるため、冷えや頭痛、生理痛などのトラブルにも効果を発揮してくれます。

ホルモンバランスや自律神経を安定させてくれるため、女性には特に嬉しい栄養素です。

イノシトール

特徴

イノシトールは筋肉や神経細胞に多く存在しており、人間が生きていく上で非常に重要な成分の一つです。

また乳児にも欠かすことのできない成長成分と言われています。

イノシトールは甘みを持っており、砂糖などの糖分とは異なり脂肪に変換されにくいとされています。

効果

生活習慣病の予防や脂肪肝を防ぐ効果が期待でき、肝臓に余分な脂肪を蓄積させないようにコントロールしてくれる働きがあります。

ほかにもコレステロールを下げる効果が期待できます。

そのため脂肪肝や肝硬変の治療薬にも用いられています。

日常的にお酒を飲む人やコレステロール値の高い人は積極的に摂取するとより効果が期待できます。

また母乳にも豊富に含まれており、体に必要不可欠な成分です。

イノシトールは脳の活動を正常且つ健康的に保つ効果を持っており、発育促進に有効性が示唆されています。

フィチン酸

特徴

食材だけに含まれるだけでなく人間の細胞をはじめ脳や骨格筋などに多く含まれており、細胞機能を制御する役割を担っています。

効果

フィチン酸は美白作用が期待できます。

通常ではターンオーバーされずに肌の基底層などに残ったシミの原因になるメラニンを異物として認識します。

しかしフィチン酸は体内の免疫力を担うリンパ球であるマクロファージの機能を効果的に高め、メラニンに対して効果を最大に発揮します。

また肌細胞は紫外線やストレスなどによるダメージを受けると老化が加速します。

生活の中で有害な物質が蓄積されると細胞の働きが弱くなり様々なトラブルを引き起こします。

それらを解毒する「キレート作用」の抗酸化作用により、肌の老化予防にも役立つとされています。

フェルラ酸

特徴

フェルラ酸はポリフェノールの一種で野菜や穀類、植物などの食品から摂取出来ます。

酸化防止や紫外線吸収機能が認められており、医薬品や化粧品、食品などの原料として使用されています。

またフェルラ酸には高い抗酸化作用があり酸化ストレスから体を守ってくれるため、脳機能改善効果や高血圧改善などの効果が期待できます。

そのため近年では初期のアルツハイマー病の症状改善が期待できるとして注目されています。

効果

フェルラ酸には脳神経保護作用があるとされています。

脳神経細胞は老化やアルツハイマー病などになることで減少しますが、フェルラ酸は傷ついた脳細胞修復し脳細胞保護機能が期待できるため、記憶力向上効果も期待できます。

また紫外線の吸収性が高いことやシミなどの原因になるとされているメラニンの生成を抑制することから美白効果も期待できます。

メラニン色素を生み出す酵素に直接働きかけることができるため、お肌の色素沈着を防いでくれます。

そして高血圧を予防する効果が期待できます。

フェルラ酸は高い抗酸化作用を持つことから血圧を下げる効果が期待できます。

善玉コレステロールを活性化させることにより悪玉コレステロールの増加を防ぎ、動脈硬化などの病気を予防してくれます。

γ-オリザノール

特徴

γ-オリザノールは米ぬか油から発見されたポリフェノールの一種で熱安定性が高いため、優れた抗酸化作用を発揮するとされています。

また血行を良くし、コレステロールを下げる効果や脳の衰えを防ぐ効果が期待できます。

効果

γ-オリザノールは生活習慣病の予防に役立ちます。

善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らす効果があるほか、血管を広げて血行を良くする効果も期待できます。

また脳の機能を改善する効果が期待できます。

自律神経の働きをサポートするため、ストレスや過労、更年期障害が原因で起こる自律神経失調症にも効果があるとされています。

さらに抗ストレス作用より認知症の治療においても医薬品として用いられています。

食物繊維

特徴

食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。

不溶性食物繊維は水に溶けず腸を刺激して運動を促進し、便秘予防効果が期待できます。

一方水溶性食物繊維は水に溶け、こんにゃくや果物、トロトロとした繊維で腸内で糖の吸収速度を遅くしたり血中コレステロールの上昇を抑えることにより、動脈硬化や糖尿病の予防が期待できます。

効果

食物繊維の働きとして、便の体積を増やす材料になるとともに大腸内の環境を改善する腸内細菌に利用され、それらの菌を増やすことが明らかになっています。

便秘予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血中酵素濃度の低下や血糖値上昇の抑制などが期待できます。

食物繊維は体内の悪玉菌による有害物質の発生及び吸収を抑えるだけでなく体外に素早く排出するため腸内の善玉菌を増やし、大腸がんの発生を抑える効果が期待できます。

また水溶性食物繊維は体内で水と混ざると溶ける性質があり、溶けた食物繊維はゲル状になり量が増え少量で満腹感がでるため、食べすぎを防止してくれます。

まとめ

精米する過程で捨てられてしまうことが多い米ぬかは捨てるのがもったいないということではるか昔から様々な形で活用されてきました。

胚芽の部分には豊富なビタミンやミネラル、体内の毒素を体外に排出するフィチン酸などが含まれています。

一方表皮には腸内の健康に欠かせない食物繊維などが含まれています。

米ぬかを摂る際はできるだけ新鮮なものを選ぶのがおすすめです。

食品としてはもちろん化粧品やサプリ、肥料としても使うことができる汎用性が高い米ぬかを少しずつ生活に取り入れてみませんか?